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2006/02/10

『ふらんす 80年の回想―1925‐2005 』

先日、ご紹介したを購入しようと本屋さんへ
行ってみましたが、見あたらずにいたのですが
また、私好みの本が見つかってしまったので、
ご紹介いたします。

  france
    『ふらんす 80年の回想―1925‐2005
                    2005.10
   
        出版社からのコメント:

日本初の本格的仏和辞典『模範仏和大辞典』
が小社から刊行されたのは1921年。そして1925年
フランス文化をより深く知りたいという人々の熱望に
応える形で月刊誌『La Semeuse(「種をまく女」の意)』
が誕生した。フランスがまだまだ遠い時代のことである。
雑誌は4年後、誌名を『ふらんす』と改め、今年創刊
80周年を迎えた。今日、フランス語・フランス文化を
紹介する専門誌としては日本唯一であり、語学雑誌
としても極めて珍しい長い歴史をもつ。
 創刊号には、当時在日フランス大使だったポール・
クローデルが献辞を寄せ、続く号には與謝野晶子の
「ふらんす詠草」、堀口大學の「自吟自譯」、吉江喬松の
「晝家マティスの印象」などの記事が並ぶ。以後、内藤濯
、辰野隆、岸田國士、岩田豊雄(獅子文六)、遠藤周作、
河盛好蔵、鷲尾猛、川本茂雄、伊吹武彦、澁澤龍彦、
生田耕作、岡本太郎、串田孫一、福永武彦など、

錚々たる仏文学者、仏語学者、作家、文化人たちが
執筆者として名を連ねてきた。

 創刊80周年を記念する本書には、読者の目に
ふれる機会が稀となった
1970年代末までの
バックナンバーから代表的な記事約80編を選び、
そのほとんどを当時の誌面のままに再録した。
テーマは語学・文学のみならず、風俗、映画、料理、
シャンソンなど
多岐にわたり、80年間の表紙総覧
各時代の広告や編集後記なども盛り込みながら、
時代の面影を映す構成。時を経ても決して古びる
ことのないエスプリを感じていただきたい。

  
     気になる題名として、澁澤龍彦 『ジャン・コクトー』
   高階氏 『松方コレクション』、福永氏 『ルオーの遺作』
     杉本周太郎 『コローの風景画』、稲生永 『魔法の地理学』
    吉江喬松「画家マティスの印象」などが挙げられます。

   中でも、井上究一郎氏 (『失われた時を求めて』(1913-27)
     プルースト 全訳) が書かれた『ヴィル・ダヴレーの日曜日』
     (1963年 6月)という章が良かったので、少しだけ氏の言葉を
      引用させて頂きます。

  koro-1  『ヴィル・ダヴレー』
                                         1865-70年 油彩
                                        ワシントン国立絵画館

   A peine reste-ti-il assez de jour pour voir,
      Corot, ton nom modeste e'crit dans un
          coin noir,

     残っている、夕あかり、暗い片すみに
       書かれたあなたの、
     コローよ、つつしまい名がやっと
      見わけられるほどの

              テオフィル・ゴーチェ  

   ville_daray
  Ville D'Avray by Jean-Baptiste-Camille Corot

 本文から・・・
  ヴィル・タブレーは、生涯孤独のコローが
  父からゆずり受け死ぬまで魂のいこい場
  とした小さい別荘のあったところである。
  パリ郊外サン・クルーとセーヴルとの間に
  ある何ともいえない静かな小さな街、
  バルザックが住んだレ・ジャルディ荘のある
  のもここ。
  この隠れ家は1817年に彼の父が買った。。

 森の白樺、池の柳、いまも残るコローの
  アトリエ、画家の記念碑、それらをめぐって
  日曜日に気楽に散歩しに行った。

 アトリエはコローの死後有名な出版主
  Lemerreが買ったがいまは誰のものだろう
  『ヴィル・ダヴレーの日曜日』-- そのころ
  そういう題の小説がつつましい売れ行きを
  示していると新聞にのった。ときどき、
  あてもなく口にする、今も私は。この小説
  の作者は誰だったのか。

<コローのアトリエの跡/本誌> atllie
            

フランスの片田舎って田園風景がとてもきれいで
画家でなくても絵を描きたくなったり、詩人でなく
ても詩句が浮かんでくるほどです。特に川べりと
木々の美しさに魅入って、夢のような時間を過ご
したことがあります。コローの描く森の絵の空間を
観ていると、そのような幻想的な思い出に浸ること
ができますが、井上氏の回想にもコローが過ごした
森の陰影を追い求めているかのようですね。。。

また、他にも後日、ご紹介できたらと思います。

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コメント

Julia さんこんにちは

この頃Juliaさんの向学心に刺激を強く受けています。この頃勉強していない自分を反省しつつ、、、

そんな私ですが何故か急にまた昔の本を取り出して読み返し、またワクワク興奮しています。
その本とはミシェル・フーコーの「言葉と物」です。その冒頭がベラ・スケスの「侍女たち」なのです。私はこの項しか読んでないのですがこれは素晴らしく楽しめます。お薦めいたします。もしかして私がこのラス・メニーナスを愛してやまないからなのかもしれませんが。

またラジオから得た情報なのですが、熊本県美でケーテ・コルビッツ展がはじまるそうですね。まとまったのを見ていないので、、、熊本までというのは遠いですよね。くやしい

投稿: 古川知泉 | 2006/02/10 10:39

知泉さん

素敵なコメントをありがとうございます~♪

今日(2/11)が私のお誕生日ってこともありますが、昨夜は会社の人たちと久しぶりに遅くまで飲んでおりまして、お返事が遅れました(*- -)(*_ _)

>その本とはミシェル・フーコーの「言葉と物」です。その冒頭がベラ・スケスの「侍女たち」なのです。

 ベラスケス作 「ラス・メニーナス」は先日もビデオ映画で観に行きましたので、とても印象深く残っております。知泉さんのお勧め本とあれば、近いうちに近くのMOTにある美術図書室か普通の図書館であれば読んで参りますね!! 教えて頂いてありがとうございます。

>もしかして私がこのラス・メニーナスを愛してやまないからなのかもしれませんが。

 ラス・メニーナスの表情をそれぞれの個性が伝わるように描いていた人間的な温かみのある絵ですよね!宮廷画家として本当はあまり描きたくない肖像画ばかり描いていたのが、イタリアへ行ってルネサンス時期の絵に影響を受けたというベラスケス。。そして、この頃はスペインもだんだん斜陽になり、先日講演会で聞いたオランダが隆盛の勢いに繋がっていく転換期だったようですね。

「想像空間」様のHPで、ベラスケスの美しい図版と解説が書かれています。どうぞこちらから→http://homepage1.nifty.com/hosizora/art/velaz/velaz01h.html

>熊本県美でケーテ・コルビッツ展

 ドイツ人の女性版画ですよね!
 とても力強く平和を訴えている肉迫の版画のようですね!私も最近、少しずつ版画のよさも分かって参りましたので、また東京でもこのような個展があることを期待したいです。
版画って絵より何か鑑賞後の残照が心に残るようです。

 また、知泉さんの情報もお知らせくださいませ。ありがとう御座いました。

投稿: Julia | 2006/02/11 10:34

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