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2006/03/01

[風の琴―二十四の絵の物語] 辻 邦生 (著)

  color
    風の琴―二十四の絵の物語    文春文庫
   辻 邦生 (著)

  会社のT氏にまた素晴しい本を貸して頂きました。
 
 
    内容(「BOOK」データベースより)
  ブリューゲル、レンブラント、セザンヌ…。西洋美術史
    をキラ星のごとく飾る24の名画。その色と形が呼び
    起こす感興を、同じ強度のまま、短篇小説で再現すると
    どうなるか? 2つの芸術ジャンルの間で白熱する感動の
    変電実験。こうして炉辺の語りの楽しさを堪能させる24
    の物語が生まれた。巻末に作者による図版解説を付す。

  24枚の絵から辻氏が想像して短編の物語を書かれて
    います。そのお話がすごい!!文章も大変洗練され
    図版もまた選び抜かれたようにきれいなので、一話一話
    が宝石のように輝いていて、文庫本なんてもったいないです。
    まるで、短編映画を観ているような夢の世界をしばし堪能
    できます。人間の内面をここまで現実と夢幻の世界と分けて
    鋭く抉り出していく辻氏の想像力と人間の心理を分析する
    手腕に陶酔することができました。まだ、全部は読んでおり
    ませんが、簡単に抜粋してみます。また、それぞれのお話
    と関連する拙い拙記事へとリンクも追記してみました。
   よろしかったらご覧下さいませ。

I.  十二の肖像画による十二の物語

  第六の物語 偽り

  rembrant 『黄金の兜の罪』
                  レンブラント

   
    レンブラントの光と影を人間の内面に焦点を
    あて、主人公が上官の奥さんを恋してしまった
    故の幻?をみて、上官を戦死させてしまう・・・
    恋と戦乱の世界を妙意に描いて素晴しい!

    ☆「レンブラント・フェルメールの時代」小林頼子氏
   講演会 (拙関連記事)

  第七の物語  謀み (たくらみ)
  
    horse 『婦人の肖像』
                 ポライウォーロ

 
 乗馬を得意とする美女があまり幸せな
  結婚ができずにいましたが、白馬が彼女
  を救ってくれました・・・クール・サスペンス!
      

  第八の物語  驕り (おごり)
   
     buronchino『ラウラ・パッティフェルリの肖像』
                  プロンツィーノ

  ラウラはコシモ一世の宮廷でもペトラルカの詩を書く
    女流詩人としても有名でしたが、その詩を書くために
    気持ちを高揚させ続けるため、若い男性との恋を
    繰り返し、気持ちが覚めると次々と代えていきます。
    その冷淡さが最後には自分の身に起こることに・・
    すごい!!

    第十の物語  狂い

  leonald 『美しきフェロニエール』
                 レオナルド・ダ・ヴィンチ


    美しき美女を追いかけて、霞がかかった森の奥
    の古城まで追いかけて、彼女に結婚を申し込ん
    んだ若きアンドレアに襲う狂気の世界・・・!

  ☆ レオナルド・ダ・ヴィンチ (拙関連記事)

II. 十二の風景画への十二の旅

  第四の旅  氷の鏡  ある雪国の物語

  brugel 『雪の狩人』
                   ブリューゲル


    狩人が冬の季節はいやだいやだ、と言って
    冬山に入り雪の中で死にかけて、あの世に
    行ってみると季節も人々の表情もあまりなく
    この世の生活がいかに楽しいか目覚める!


    暗さの文化論 ブリューゲル(拙記事)

  第九の旅  霧の柩 森に囲まれたある沼の物語

  colo 『モルトフォンテーヌの思い出』
                    カミーユ・コロー

  少女と母親の持つ情愛と悲しい結末。。

  ☆『ふらんす 80年の回想―1925‐2005 』 (拙関連記事)
  ☆バルビゾン芸術の歴史と遺産 - 井出洋一郎氏
        講演会

 第十二の旅  馬(ペガサス)の翼  ある帰還の物語

   vermeer 『デルフトの眺め』
                  フェルメール

   魔術師が入り込んだ鏡の世界の謎・・・☆




  1992年5月の初版本ですが、図版の印刷が
   とても綺麗でした。こちらに掲載しているより
   も鮮明で美しいので、もし本屋さんで見かけ
   たらご覧になってみてくださいね~♪

   絵とお話が好きな方には超お薦めの一冊です!

   

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辻 邦生」カテゴリの記事

コメント

写真を見ただけで手にしたくなる本ですね
以前、この人の新聞のエッセイ読んで気に入り
小説を読んだらとても難しかった記憶があるのですが、
これはどっちになるのでしょうね(笑)

投稿: えみ丸 | 2006/03/02 19:24

えみ丸さん

コメントありがとうございます!!

>これはどっちになるのでしょうね(笑)

  この小節はエッセィに近いと思うので、簡単に読めると思います。

  T氏も若い頃は辻氏の小説が読めない位、難解に感じたそうです。

  でも、この本は本当に大人の読む物語が満載で素晴しいです~☆☆☆☆☆

投稿: Julia | 2006/03/02 23:16

おおっ!この本持っております。
でも、かなり前に買ったのでお話しは忘れてしまいました。名画に物語を付けちゃうなんて面白い試みですよね!また読み返してみようと思います。
確かに図版が綺麗ですね!!

投稿: high-lucky | 2006/03/03 01:10

high-luckyさん

まぁ~さすがデザイナーのhigh-luckyさん!
このような本との出合いがあると、絵を観た時に自分でもストリーを考え出したくなりますよね!

お話が7,8~10ページ位の長さなので、ちょうど興奮と緊張と夢想の世界をさ迷っている内に終わるので、飽きなくて電車の中でも切れ目がいい感じですね~☆

high-luckyさんもどのお話が一番よかったのか今度教えてくださいね!!

投稿: Julia | 2006/03/03 19:25

こんばんは!
こういった本にはとても興味がわきます~。
詳しくない絵画の世界でも、
物語があると入っていきやすいような。
逆に私のようなあまり知識のない人でもおもしろそうだなと近寄らせてくれますね。
読んでみようと思います♪

投稿: koji | 2006/03/03 23:41

Kojiさん、

こんばんはぁ~、Kojiさん♪
今日はお雛祭りでしたね~☆

Kojiさんの書かれたソースのお話も本格的ですね!私はちょっと(大分!)カロリー控えめにしなくちゃいけないのですが、どうもバターとかこってり系に弱いです~(^_^;)

って、つい食べ物の話になりますが・・・
この本でも禁断の木の実の話がでてきますが、かなり人間の本質を突いているので、この世界にはまると普通の本が読めなくなるほど魅力的です!! 

それも作者はヴェネチアがお好きらしいです~(^_-)-☆

投稿: Julia | 2006/03/04 00:10

こんにちは。
記事を拝見してとても読みたくなりました。
今度日本に行ったら捜す事にします。
あるといいなあ。
Juliaさんはお忙しそうですのに、鑑賞会なども意欲的でいつも目を見張っています。
(Juliaさんの周りの方たちは皆そうですね。素晴らしい)

投稿: seedsbook | 2006/03/07 15:39

seedsbookさん

温かいコメントありがとうございます~♪

この本は本当にお薦めです!!きっとseedsbookさんもうなること、間違いなっしです(笑)

amazonなどで300円位から販売しているようです。それともドイツまでお送りしましょうか?

一つ一つのストリーが短編映画になるようなイメージが強烈に浮かんでくるのは、辻氏の天才的なひらめきが優れた文章で表現されているからなのでしょうね~☆

>(Juliaさんの周りの方たちは皆そうですね。素晴らしい)

 おぉ~ありがとうございま~す(*'ー'*)♪
 絵が本当にお好きな方が集まると話が途切れることがなく、次から次から世界中の美術館を駆け巡ります。素敵な方々が集まってくださるので本当に幸せな時間を過ごせます~(*^^)v

投稿: Julia | 2006/03/07 22:04

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先日もご紹介した辻幾生氏の『風の琴』という本を先ほど読み終わりました。何人か [続きを読む]

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